なぜ人間ではなくAIに相談したか

何しろ阿部元監督は有名人であり、公人である。娘さんも18歳ということなので、自分の身に降りかかったことを安易に友だちに相談すれば、いくら「秘密にしてね」と求めても、どこかでそれが広まってしまう危険性を察知したことだろう。「人の口に戸は立てられない」のたとえもある。

そこで友だちに相談を持ちかけることをためらうはずだ。それは友人以外の人間についてもいえる。人は、他人から秘密を明かされると、それを別の人間にどこかでもらしてしまう。職業的に守秘義務を守っているという場合でもなければ、秘密が守られることはない。

それに、相談を受けた側は、どこかでそれを自分の利益に結びつけようとする。徹頭徹尾友だちのために行動するような人間もいるかもしれないが、どこかで損得を考えてしまう。相談に乗ったことで、「恩」を売る。あるいは、現代的にいえば、「マウントをとる」ことにおよぶかもしれない。