「自分史上最高に頭がいい状態」へ

実は、連続して「手を動かす」時間を取ることのメリットは「仕事が速くなる」だけではありません。「思考の質」も飛躍的に上がるのです。

作業を進めている間、頭の中にはたくさんの思考の断片が生まれます。事前に気づいていなかった視点、アイデア、必要な作業、違和感……その種類は様々ですが、無数の魅力的な思考があふれてきます。

実際、作業に集中し没頭しているときは「フロー状態」と呼ばれ、時間の経過を忘れて、高いパフォーマンスが発揮できると言われています。スポーツの世界であれば「ゾーンに入った状態」と言えるでしょう。

ビジネスパーソンのみなさんにとってのフロー状態は「自分史上最高に頭がいい状態」と言えます。誰しも作業に集中しているときは、一番頭がいいのです。みなさんも経験したことがあると思います。

これは「実行を通じて、その仕事についてさらに考えが深まった」ことを意味します。

「超集中」しているときは、間違いなくその業務に関して「一番頭がいい状態」の自分が育っているタイミングです。「終わる計画を作る」計画モードでは想定していなかったタスクが発生したとしてもすぐに対応できる状態です。何をすればいいか、どんどん明確になっているはずです。

事前に道筋を明らかにしておけば、迷わずその仕事に没頭できます。没頭して時間を投入できれば、その分だけ思考がより深く、洗練されていきます。その結果として、計画段階では見えなかった新しい思考が生まれてくるのです。

つまり切り替えを減らして「超集中」すると、仕事の質が上がっていくのです。

職場での時間的プレッシャーの象徴としてオフィスで時間がなくなる砂時計
写真=iStock.com/Ralf Geithe
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仕事を速く進め、質も高めるキモ

「手を動かす」を長く続ければ続けるほど、このボーナスは増えていきます。

実際に手を動かすと、その過程でたくさんの「気づき」が生まれます。その業務に関してどんどん詳しくなり、「考える」計画のときには想定していなかったことも、その場で対処できるようになります。こうして徐々に「その業務に関して一番頭のいい自分」状態に近づいていきます。「頭のいい自分」を育てると、仕事は速くなるのです。

「頭のいい自分」は、細切れに手を動かしていては、手に入りません。作業中に切り替えが入ると、集中が浅い状態で別のことに切り替わってしまうため思考が深まらないからです。「頭のいい自分」を育てるためには、長い時間「超集中」で手を動かすことが必要なのです。

「頭のいい自分」が育てば、計画モードで考えていたときには出てこなかったアイデアが出てきたり、気づかなかったポイントに気づいたりするようになります。すぐに形にはならないかもしれませんが、実行モードを続けることで育った「頭のいい自分」はやがて仕事の質を高めてくれます。

作業に集中し没頭する「フロー状態」「ゾーンに入った状態」=「超集中」状態の自分をいかに長く続けられるか。仕事を速く進め、質も高めるキモはここです。

手を動かすと「始める前に比べて賢くなる」。切り替えを削り、超集中することで、あなたは進化し、レベルアップしていくのです。