そもそも「優先席」は必要か
車内での荷物置き場については、車端部に座席を除去した荷物専用のスペースを設置した車両を編成に組み込むのも一案でしょう。そしてその結果、優先席が減少してしまわないよう、車端部に限定しない優先席の設置も検討されるべきではないでしょうか。
そもそも「優先席」というものの存在から再考すべきかもしれません。すべての座席が優先席としての性格を有しているとの認識を広めていくことが、今回の問題をよりわかりやすく解決へと導くのではないかと私は思います。
配慮の足りない人をなじるのではなく、また配慮に長けた人の善意にのみ依存するのではなく、優先を必要とする人が、そのつど遠慮したり説明したりしなくても必要な設備を使えるよう、運用と環境の側を変えていくこと、そしてすべての人が社会に存在する“見えざるバリア”を見つけ出し、自分ごととして解決策を考えるようになることこそが、「共生社会」の出発点になるのではないでしょうか。
夏の旅行シーズンまで、まだ時間はあります。本稿をきっかけとして、まずは身近な場所で「バリア探し」を始めてみませんか。

