行動経済学では固く禁じられた手口

このように認知バイアスを刺激し本人の意に反した行動へと仕向ける手口は「ナッジの悪用(=スラッジ)」であり、行動経済学では固く禁じられています。

竹林正樹『行動経済学トレーニング』(かんき出版)
竹林正樹『行動経済学トレーニング』(かんき出版)

一方、悪質業者は行動経済学の崇高な理念などお構いなしに、ナッジの悪用を使いまくっています。これでは消費者はひとたまりもありません。

かと言って、全部を疑いの目でチェックしようとすると、理性がフル出勤し、すぐに疲れ果ててしまいます。

これに対しては被害防止の仕組みを自分で作っておくナッジを設計しておくと安心です。具体的には、自分の行動が監視される状況を作ること(モニタリングナッジ)で、望ましい行動を取りやすくなります。

たとえば、「28歳女子、クリエイターへの道」といったブログを開設してみてはいかがでしょうか。他人から見られていると、決断する前にじっくり調べる動機が生まれます。

ブログの中で「このスクールに決めようと思います」と報告すると、周囲から「そのスクールは悪い噂が多いよ」といった情報を得ることが期待できます。その情報の中にはガセネタもあるでしょうが、「調べて報告します」という次の記事のトピックにもなります。

また、こうした投稿は、「この日、スクールでこんなことを言われた」という記録にもなり、万が一、後日トラブルがあったときの証拠にもなり得ます。

そもそも、記録をつけること自体もモチベーションの向上に役立ちます(記録ナッジ)。

ブログは思考の整理の一助にもなります。CさんはDスクールに対する悶々とした感情を抱えておくよりも、言語化して思考を整理したほうが精神衛生上もよいのです(明確化ナッジ)。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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