ただしその配分割合は、年代別に検討する必要がある。まず、20~30代の資産形成期には、ある程度のリスクを取っても高いリターンを目指す。たとえ大幅に相場が崩れても、その後、取り戻せる期間が残っている点が強みとなる。100から自分の年齢を引いた割合を株式に投資するのが一案だ。30歳なら株式と債券の比率を7対3程度にする形が考えられる。また、掛け金が毎月同額の積立投資ならではのいい面もある。株価が下がれば安くたくさん買え、株価が上がれば割高での買いすぎを防げる。これは、ドル・コスト平均法と呼ばれ、相場動向に一喜一憂せず長期で資産を形成したい投資家向けの手法だ。
株式投資の内訳を考えると、国内株や欧米主要先進国株を主体としながらも、BRICsや東南アジアなどの新興国株にも注目したい。インドネシアの伸びしろはまだまだ大きく、フィリピンの株式市場も最高値を更新している。
一方、退職が近づく50代の場合、安全な運用に比重を移したほうがよい。株式より債券の比率を高くすることを検討したい。
忘れてならないことは、退職時までにどれだけの資金が必要なのかということ。手取り収入が多ければ、預金だけで十分に退職後の資金を蓄えられる人もいるだろう。そんな人が、無理をして海外の株式に投資するなど、リスクを冒す必要性は全くないのである。
(構成=小澤啓司)