アラスカの石油は「中東の2%分」

そもそも、2026年のアラスカ州の生産量の伸びは日量4万バレル程度と、日本が中東から調達している量の2%未満であり、届かなくなった中東産原油全体を代替するには力不足である。そのため、米国のアラスカ以外の州や、他の国・地域からの原油調達も強化する必要がある。

政府は、民間企業を通じて、カザフスタンやアゼルバイジャンなどから調達を増やす方針を示しているが、これらの国以外にも潜在的な調達先の候補は存在している。

確認埋蔵量(現在の経済条件・技術水準のもとで掘削可能な量)や可採年数に基づくと、中国・ロシア・アフリカなど地政学的なリスクが高い国・地域以外にも、カナダやブラジルなど南北アメリカ大陸の産油国からの調達を検討する余地がある(図表4)。

【図表】各国の原油確認埋蔵量と可採年数

国によって産出される油種が異なることを踏まえると、代替調達を行う際には、外交交渉だけでなく国内製油所の設備に対する追加投資の支援を行うことも重要となる。

「省エネ強化」にも取り組むべき

わが国政府・企業には、原油の調達先を多角化すると同時に、各国からの代替調達が遅れる事態にも備えて、石油消費を効率化する施策(省エネ)を強化しておくことも求められる。

こうした取り組みは、短期的な石油不足の回避だけでなく、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進にもつながる。化石燃料への依存を低減させて、その供給ショックに対する耐性を高めていくことは、今回の危機が沈静化しても必要な対応であり、官民が連携して取り組むことが求められる。

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