【中司】それと、シュンとしてしまったとしても、いつまでも腐っていてもしょうがない。それだったらできることからまずやっていって、それを騙されたと思ってちょっとずつちょっとずつ繰り返していくと、自分の中にも自信が出てくるし、周りに対して仕事も少しずつこなせていく。そこで1歩踏み出して、その1歩というのを2歩、3歩、さらにいえば10歩、20歩と積み重ねるところができたら、またその積み重ね続けたら、全然違う世界が待っているんです。

僕自身、大学へ行きたいという思いで受験勉強を頑張ったんですけど、いきなり父親の借金が見つかって、「いや、お前、大学行かせられないよ」という状況になり……。同級生はみんな大学へ行っている中、「いや、なんで俺、こんなレストランで働かなくちゃいけないの」と思いながら働いていました。また、そんな気持ちで働いていたら、絶対嫌になると思うんです。その頃は本当に、涙が出るぐらい辛かった。

そんな中でもその店での仕事にフォーカスしていったんですね。目の前のことに本気にならなくちゃ生活できないよねと。だから、人が諦めてしまうところで諦めずに、毎日たとえ1ミリでもいいので上昇を14年間、この1ミリの成長を続けてきたんです。だから、皆さんにもぜひ毎日書いてほしいんです。歩みを止めないのは、すごく大切ですよね。

俣野成敏(またの・なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社に入社。安息の日々もつかの間、社の赤字転落によって30歳でリストラ候補になり、転職、起業の余地がないダメ社員に未来はないと一念発起。役職経験・小売経験・有力人脈を一切欠いたまま、メーカー直販在庫処分店を社内起業。老舗メーカーの古い価値観を逆風に受けながら、30代の内に年商14億企業に育てあげる。その功績が認められ、33歳でグループ130社の現役最年少の役員に昇進し、さらに40歳で本社償還、史上最年少の上級顧問に就任する。この体験を元に執筆した著書『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)はシリーズ累計11万部のベストセラーに。2012 年、独立。複数の事業経営の傍ら、私塾『プロ研』を創設してプロフェッショナルサラリーマンの育成に力を注いでいる。
※俣野成敏オフィシャルサイト http://www.matano.asia/

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役。経営日報の“赤ペン指導”で売り上げを倍増させる日報コンサルタント。クライアントからは、FC、特定ブランドで売り上げ日本一を多数輩出している。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、勤務した大手アパレルチェーンでは、販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。その営業・販売の実績を買われ、零細企業の創業、事業立て直し支援事業に従事。そこで中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、株式会社ビジフォーム(現・株式会社日報ステーション)を設立。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づく なかづか日報』(経済界)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)がある。
※日報ステーション http://nippo-st.com/
(撮影=よねくらりょう)
【関連記事】
掃除の習慣:「毎日10秒」が断ち切る、負けのサイクル
なぜカラオケでストレス解消してはいけないのか
「何回決心しても挫折する」人の行動心理学【自己診断テスト】
ピンチでもうろたえない「メンタル鍛錬法」
ストレスなく働くための秘訣