遺体発見の夜に「元刑事の生配信」が炎上
元・大阪府知事の橋下徹氏は、安達さんのご遺体が見つかった翌日4月16日に放送された、関西テレビの情報番組で、次のように発言している。
橋下氏は、この発言の直前に、「棚瀬さん出てらっしゃるので、ちょっと申し訳ないんですけども」と留保をつけている。同じ番組に、「凶悪犯罪などの捜査を統括する『刑事部』のトップを経験」と紹介された「元兵庫県警刑事部長」の棚瀬誠氏が出演していたからである。
橋下氏は直接言及していないものの、たとえば、元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、ご遺体が発見された4月13日の夜の生配信番組で、「私もライブとかYouTubeでは最高記録です」と自画自賛するなどした。それに対して番組アシスタントが「おめでとうございま……」とお祝いを言いかけたことから、批判の声が相次いだ(「《京都小6男児》元捜査一課刑事の遺体発見後の生配信、“同接”過去最高記録に“祝福失言”が飛び出し物議」週刊女性プライム、2026年4月14日配信)。
警察OBを起用する番組側の狙い
こうした批判の矛先と同じ「元警察官」が同席していて心苦しかったのだろう。いくら「好き勝手に言ってる動画」と限定をつけたとはいえ、「元警察官」には変わりないし、当の棚瀬氏もまた、今回の事案について警察の内部事情に精通しているとは言いがたい。番組を見る限りでは、あくまでもご自身の経験と知識に基づいた話をしているに過ぎないから、棚瀬氏を「好き勝手に言ってる」とは非難できないのかもしれない。
仮に、棚瀬氏が京都府警をはじめとする捜査当局から何らかの特別な情報を得ていたとして、それをテレビ番組でおおっぴらに話したとしたら、それは情報漏洩にあたる。
それでも、番組が棚瀬氏を出演させたのは、彼が「元警察官」だったからにほかならない。「凶悪犯罪などの捜査を統括する『刑事部』のトップを経験」していたからである。安達さんのご遺体が見つかった経緯について、何がしかの有益な、というより、視聴者の知りたい欲望を満たすような「コメント」や「解説」を、棚瀬氏ならしてくれるのではないか。いや、してくれるに違いない。これがテレビ番組側の狙いである。
乱暴に言えば、「元警察官」による「推理」をこそ、見る側が求めているのではないか。その理由は、どこにあるのか。

