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図3 参考書を週に30ページやるなど、自分にノルマを課している

アウトプットとは別に、ゴールの設定も欠かせない。目指すべきゴールや自分を律するノルマがないと、モチベーションの維持に苦労し、途中で道に迷うのではないだろうか。

では実際、デキるビジネスパーソンほど自分にノルマを課したり、ゴールを設定して勉強しているのだろうか。ノルマとゴール、それぞれについて設定しているかどうかを質問したところ、イエスと答えた人はどちらも800万円台が最多だった(図3、4)。

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図4 あえて試験を受けるなど、自分なりのゴールを設定している

どうして中間層である800万円台に、ノルマを課したりゴール設定する人が多いのか。人事戦略コンサルタントの高城幸司氏は、「800万円台は年収アップの意欲が強く、なりふりかまわず勉強の成果を出そうとしているのではないか」と分析する。

「年収500万円台と800万円台は生活水準がほとんど変わりませんが、1000万円を超えると家計に余裕ができ、食べる物や着る服まで変わってくる。800万円台の人はそんな暮らしが目前に見えているだけに、低年収層よりも年収増への意欲が強いのです。また800万円台は中間管理職が多く、身を粉にして働いています。部長や役員より働いているのに、なぜ自分のほうが低年収なのかという思いもある。そうした不満が、彼らを勉強へと駆り立てるのでしょう」

(調査概要/楽天リサーチを通じて、ビジネスパーソン999人より回答を得た。調査期間は12年6月21~24日。図は、「Q.現在、勉強しているものの数」でゼロと回答した方を省き、全体数は334人。)

藤川 太
生活デザイン代表取締役。1968年、山口県生まれ。慶應義塾大学卒業後、自動車会社を経てファイナンシャルプランナーに。2001年に現在の会社を設立以来、「家計の見直し相談センター」で1万3000世帯を超える家計を診断する。

高城幸司
セレブレイン代表取締役社長。1964年、東京都生まれ。同志社大学卒業後、リクルート入社。営業で6年間トップセールスを受賞。独立起業情報誌「アントレ」を創刊させ、事業部長、編集長を歴任。2005年より現職。営業やマネジメントの著作多数。
(澁谷高晴、坂井 和、平地 勲=撮影)
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