国民会議を「目的化」させてはいけない

すなわち、このよくわからない国民会議があまり合理的でない思惑で満ちている面があるんですよね。制度設計の実務を進める場として。党内の財政規律派への緩衝材として。野党を巻き込み参院対策の地ならしをする装置として。そして場合によっては、公約からの軌道修正を正当化する出口として。

そして、問題は、これだけ多くの政治的機能を一つの会議体に背負わせた結果、肝心の「消費税減税をいつ、どうやって実現するのか」という本題が曖昧なまま漂流するリスクが高いことです。

夏前の中間とりまとめ、秋の臨時国会での法案提出――高市さんが示したスケジュール感は決して緩いものではありません。しかも、年5兆円の財源確保策も、レジシステムの改修計画ほか民間対応のあり方の検討も、マイナンバーによる所得把握のロードマップも、現時点では何一つ具体的に示されていない。

やれと言われればさっさと検討するのが官邸の役割ですが、いろんな意味で機能低下している面があるのでうまく動かせていないのではないでしょうか。この国民会議が、国民のための政策実現の「手段」ではなく「目的」そのものになってしまう危険を、私たちは注視し続ける必要があります。

綺麗事を言うようでなんですが、しかし割と本音として、空前の316議席とかいう大勢力を託された政権には、有権者に対して約束を果たす責任があります。その約束を果たすために国民会議が本当に必要なのか、それとも約束を先送りするための装置に過ぎないのか。

答えは、この年度末までの議論でだいたい明らかになるでしょう。

皆さま、どうかご安全に。

(初公開日:2026年3月11日)

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