集中が途切れやすくなり生産性が下がる

実際、筋骨格系の首や肩の不調は、痛みや動きにくさといった身体の不調を通じて、仕事のパフォーマンスを下げる要因になることが指摘されています。オフィスワーカーを対象とした研究では、頸部痛を有する人に業務量の調整の必要や作業効率の低下がみられ、日常的な業務遂行に支障をきたす可能性が示されていますJohnston, 2016。本人は「大したことはない」と感じていても、首や肩の痛みや違和感が持続することで集中が途切れやすくなり、作業効率や処理スピードに影響が及ぶ可能性があるのです。

肩こりに苦しむビジネスウーマン
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです

このように「出勤はしているものの、心身の不調などが原因で本来の仕事のパフォーマンスを発揮できない状態」は“プレゼンティーズム”と呼ばれます。ある研究では、首や肩に不調を抱える人のうち約26%で生産性の低下がみられ、その多くは欠勤ではなく勤務中の能率低下によるものでしたHeuvel et al., 2007

また、別の研究では、首の痛みに関連した生産性損失は労働時間の約12%にのぼることも報告されていますAegerter et al., 2023。つまり、出勤していても本来のパフォーマンスを発揮できていない状態が生じている可能性があり、スマホ首がこうした不調の一因となりうる点に注意が必要なのです。

また、こうした負担が日常的に積み重なると、長期的には脊椎の変形や胸郭の動きの制限による呼吸の浅さなどが生じる可能性も指摘されていますParul et al., 2026。将来的に椎間板の変形や慢性的な痛みといった疾患リスクを高める可能性もあるため、軽視しすぎず、日々の姿勢に注意することが重要ですOkada et al., 2018

日常生活で首への負担を減らす

スマホ首を予防、改善するためには、日常の中で姿勢や使い方を見直すことが大切です。

まず、自分の姿勢の傾向を簡単に確認してみましょう。

壁にかかと・お尻・背中をつけて立った際に、後頭部が無理なく壁につくかを目安にします。自然につかない場合は、頭が前に出る姿勢が習慣化している可能性があります。

次に、日常生活で首への負担を減らす工夫を取り入れましょう。日常の姿勢と環境を少し意識することで、首への負担は減らせます。