35年後に物件の価値が維持できてようやくトントン
[試算③]金利上昇などリアリティある想定での試算
では、リアリティのある試算をしてみましょう。
金利は正確に予想することはできませんが、保守的に当初5年間が0.9%、6〜15年が1.5%。16〜25年が2%、26〜35年が2.5%と仮定します。
管理費・修繕積立金は6年ごとに1万500円ずつ上昇とします。
専有部分の修繕費用は、最低限の内容に抑えて1150万円を見込みます。
結果、35年間の住居費は約1億3758万円です。
賃貸は、18年目までの家賃を20万円、19〜35年は10万円とします。35年の住居費は約6655万円です。購入より賃貸のほうが約7103万円少ない額となります。
35年後にマンションの価格が7000万円を維持できれば、ようやくトントンです(ほぼあり得ない)。半額になっていたら3500万円のロスとなります。
購入に誘導する不動産会社の数字のマジックにご注意
購入した場合に享受できるメリットには、住宅ローン控除があります。
夫婦のペアローンで住宅ローンを組み、夫、妻とも所得税・住民税が十分あるなど、控除額は最大で約473万円です(2025年度)。大きな控除ではありますが、それでも35年間での試算の結果は覆りません。
ちなみに、賃貸では、自宅を仕事場にしている自営業なら、家賃の一部を経費にできるメリットがあります。
さらに購入では最初に頭金や諸費用を用意しなければならないというハードルもあります。頭金ゼロでも購入可能ですが、借入額が多くなり、金利負担が増えます。また会社員では、家を買ったことで転勤を命ぜられることが多い、家に縛られ、簡単には引っ越しができないというデメリットもあります。
さらに、もし将来、不動産投資をしようと考えたとすると、住宅ローンを借りていることで資金の借り入れが難しく、投資しにくくなる可能性もあります。
賃貸にも、ファミリー向けの賃貸物件が少ないなどのデメリットはあります。
買うか、借りるかは、あくまで価値観次第です。しかし、購入に誘導するような数字のマジックにはご注意ください。

