「依存の罠」に出口はあるか

高市氏が自ら作り出した「対米依存の罠」に、出口はあるのか。レスポンシブル・ステートクラフト誌が、首脳会談を終えた日本が取り得る方向性を分析している。

同誌がまず挙げるのは、G7のなかでいまなお最も良好なイランとの関係を活かした和平の仲介だ。11月の中間選挙を控えるトランプ政権はイラン戦争の早期終結を望んでおり、日本の仲介を歓迎する素地は十分にあるとみる。

2026年3月19日、ドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウスのエグゼクティブ・レジデンスにて、高市早苗首相と記念品を交換した
2026年3月19日、ドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウスのエグゼクティブ・レジデンスにて、高市早苗首相と記念品を交換した(写真=Daniel Torok/ホワイトハウス公式写真/PD US Government/Wikimedia Commons

あわせて、冷え込んだ対中関係の立て直しも欠かせないと同誌は論じる。故安倍晋三元首相のスローガンを引き継ぎ、「Japan is back」(日本は戻ってきた)を掲げる高市氏だが、その言葉に中身を持たせるには、同盟国アメリカへの一方的な忠誠だけでは事足りない。

対等に渡り合うためには、中国との関係性をうまく活用することも不可欠だ。当然、観光客の足がパタリと止まった昨今の状況を踏まえれば、中国への過剰依存は大きな問題だ。しかし、一定の関係性を保つことで、アメリカに対する外交カードとして機能する。

エステベス=アベ氏は、対米一辺倒の外交を続けるかぎり、日本の経済的・政治的地位は損なわれていくと指摘する。そのうえで、「最も忠実なアジアの同盟国」が弱体化すれば、アメリカにとっても痛手だと警告する。

日米の双方が共栄する上で、アメリカへの「依存の罠」を避けることは欠かせない。トランプ氏が冗談交じりに放った「真珠湾」発言は、今後の関係性を見つめ直す良い契機になるだろう。

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