あなたは「損する服」を着ていないか
ファッションは未来を切り拓く力になる一方で、ひとつ間違えると未来の可能性を損ねかねないものでもあります。無頓着に「損する服」を着ていたばっかりに、知らないうちにチャンスを逃している可能性すらあるのです。
では「損する服」とは、どんな服か?
最も基本的なことからお伝えすると、たとえ仕立てがよくても、「着古した服」では、くたびれた印象になってしまいます。必要不可欠な「清潔感」が失われていることもあるでしょう。
服は本来、着る人を引き立てる「輝き」を持っています。しかし、着古された服にはその力が残っておらず、着る人を「生気のない、疲れた人」に見せかねません。その意味で、私は古着やビンテージの服なども、ビジネスシーンではおすすめしません。
また、その場の空気感とちぐはぐな「TPOに合わない服」も、あなたの価値を下げてしまう「損する服」です。ビジネスシーンで華美過ぎる装いは、相手の集中力を削いでしまいますし、逆に、華やかなパーティでリクルートスーツのような装いでは、その場を楽しんでいる余裕がないように見えてしまいます。
このように、「どう装うか」はシーンによって正解が変わります。しかし、多くの方は失敗を恐れて「無難」な選択にとどまっているのが現状でしょう。
服装で信頼を得て、未来を切り拓く
これは裏を返せば、シーンごとの「さじ加減」を知ることで、「無難」や「適切」の枠を超えた、洗練された大人の装いができるようになるということでもあります。
目指すべきは、「信頼をまとい、未来を切り拓く服」を選ぶこと。
たかが服、されど服。装いひとつで未来が大きく拓かれることもあれば、逆に閉ざされることもある――。まずはこの事実を、心に留めていただければと思います。
「ドレス・フォー・サクセス」の最大の鍵は、「エグゼクティブ・プレゼンス」――つまり「信頼や品格、影響力を醸し出す存在感」を持つということです。
未来の成功を見据えて装うからには、服は「今現在の等身大の自分」を体現するものでは不十分と言わねばなりません。1年先、3年先、5年先の自分が理想のステージに立っている姿を、先取りするのです。そうすることで、あなたの背中を未来へと力強く押してくれる、頼もしい味方となります。
フランス革命期の皇帝ナポレオン・ボナパルトは「人はその制服のとおりの人間になる」と言ったそうです。
着ている服が意識や行動に影響し、その服が体現する人物像へと近づけていく。こうした作用は、心理学で「エンクローズド・コグニション(着衣認知)」と呼ばれます。

