大都市に住み大企業勤務は勝ち組なのか?

それに、大都市ほど物価は高くなく、数年前に相次いで亡くなった両親の家に住んでいるため家賃も要らず、生活に困ることはありません。休みに旅行をしたり、月々預金したりする余裕もあります。自分の趣味に結構な額のお金をかけても、誰にも文句はいわれません。隣近所は子どもの頃から交流のある人たちばかりで、地域のお祭りなどにも、幼馴染と積極的に参加して楽しんでいます。

家から15分ほど歩いたところにある小さな池には冬になると渡り鳥も飛来してきます。そんな風景に心和ませながらの散歩は、Fさんの休日の楽しみの一つです。

このようなFさんの生活は、Fさんが「勝ち組」と思っている人たちから見ると、うらやましく思えるかもしれません。

大企業に勤めていれば、苛烈な出世競争に巻き込まれることもありますし、社内で心を許せる人がいないことも珍しくありません。

東京・丸の内
写真=iStock.com/kurosuke
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首都圏では、すし詰めの電車通勤にも、耐えなければなりません。都会に住んでいると、隣に住んでいる人の顔さえ知らないのは普通のことで、ご近所との交流などありません。

首都圏は、住宅費にしても、子どもの教育費にしても高額になりがちで、決して生活が楽なわけではありません。

Fさんの暮らしと「勝ち組」の暮らし、どちらを取りますかと問われても、答えられないのではないでしょうか。

誰かより上にいることで安心したい

ここで先のFさんへの問いに戻りますが、Fさんは少なくとも自分が不幸だと考えてはいないし、今の生活に大きな不満を抱いているわけでもなさそうです。

ただ、久しぶりに会う同級生のことを考えて、自分を「負け組」だと思ってしまったのです。そうならば、厳しい言い方になりますが「自分で自分が幸せかどうかを決められない」という主体性のなさや「誰かより上にいることで安心したい」という判断を見直すべきです。

幸せかどうかは、本来、自分自身の尺度で決めるもの。勝ち負けとは関わりのないものです。本来勝ち負けでないものごとを「勝ち組」「負け組」だと考えるのではなく、そんな基準は振り払って、自分軸で考えればずっと人生は楽しめるものになるのです。