目の前の相手にひたむきに、誠実に
クレームを言ってきたり、怒りをあらわにする人の中には、その人の中に、大きな悲しみを抱えている方もいます。やり場のない悲しみや不安が、怒りとなって表に出てしまうことも少なくありません。
「恐れを抱いた心では、なんと小さいことしかできないことでしょう」
「私が成功したのは、決して弁解したり、弁解を受け入れたりしなかったからです」
ナイチンゲールのこの言葉は、今も私の心に残っています。
私は看護師ではありませんが、怒りや深い悲しみを抱えた人と接するとき、腫れ物に触るように距離を取ったり、怖くなって逃げ出したりするのではなく、信念を持って向き合いたいと思っています。弁解や言い訳をせず、目の前の相手に、ひたむきに、誠実に向き合いたい。そんなことを、私は大切にしてきたように思います。
もちろん、これは薬剤師に限りませんね。あらゆるご職業の方々、そして、仕事を持っていようがいまいが、すべての人に大切なことだと思います。
誰かの怒りに向き合うということは、大変に骨の折れることです。怒りに向き合うというのは、その奥にある思いに、そっと耳を傾けようとする姿勢なのだと思います。
勇気を出して向き合ったときにこそ、相手の中にある本当の声が聞こえてくることがあります。信念ある誠実な言葉は、相手の心を動かします。
心の不調でからだも病んでしまう
毎日お客様とお話しをして、お薬を手渡してきた私が思うこと。それは、「病は気から」という言葉は本当かもしれないな、ということです。
誰の人生にも、落ち込んでしまうような出来事は起こります。心が押しつぶされそうになる瞬間もあります。けれども、その出来事をいつまでも気に病み続けていると、今度は心だけでなく、からだまで病んでしまうことがあります。
多くの人が、自分の過去や今の状態を責めています。
その積み重ねが、不眠になったり、胃腸の調子を崩したりと、病気を呼び込んでいる面もあるのではないでしょうか。
「責める」ことは、毒にしかなりません。
自分を責めることも、誰かを責めることも同じです。
誰かへの怒りを持ち続けていると、なぜか頭痛が起きやすくなったり、胃が痛くなったりすることもあります。

