親の理想通りに子育てをしてはいけない

「小学校に入るまではとてもいい子でかわいかったんです」

まさかこんなことになるなんてと、親御さんはパニックになっていました。子どもに対していろいろな働きかけをしているけれど、まったく効果がないといいます。ところが、毎晩9時に寝る生活をするようになったら、驚くほど落ち着きました。

学校にも行けるようになり、暴れることもなくなりました。ものすごく欲しかったゲーム機の抽選に外れてしまったときも、以前ならそれだけで3日は暴れていただろうというところを「なんで外れたんだろう」の一言で終了。

あっけらかんとしていて親御さんも驚いたそうです。親御さん自身も子どもを客観的に観察できるようになり、「以前は私の理想に沿ったかわいい子でないと、と思っていましたが、今はこの子なりに発達しているんだなぁと思っています」とおっしゃっていました。

ソウマの母親は「どうしたら、学校にまた行けると思う?」と聞いていました。頭ごなしに「学校に行きなさい」と言っているわけではないので、子どもの意思を尊重しているように見えますが、ソウマはそう感じていません。母親がいつも心配して悩んでいる様子があるからです。

子どもを追い詰める父親がやりがちな危険発言

「早く学校に行けるようになってほしい」と願っている(つまり親は問題なく学校に行く子を「かわいい」と思っている)のが伝わってきて、プレッシャーになっているのです。

親がはっきりと言葉に出さなくても、子どもに伝わってしまうことはいろいろあります。

「学校に行かないで、将来どうするつもり?」
「本当にやりたいことは何なの?」

これらもプレッシャーになりやすい質問です。私たちが見る限り、父親は「何が原因でこうなっている? 何があれば前に進める?」というように理詰めで問題を解決しようとする傾向があるのですが、落ち込んでいるときにこういった質問をされても子どもは答えることができません。

机にうつ伏せになっている少年を叱る両親
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

本当に子どもの答えが聞きたいなら、子どもの気持ちに寄り添って「待つ」ことが必要です。子どもが話せそうなタイミングで、フラットに聞くようにしてください。フラットに聞くコツは、感情を入れないことです。

ネガティブな感情が入っていると子どもは必ず不安になります。人間なので怒りや悲しみの感情が湧くのは抑えられませんが、そういった感情が湧いた瞬間には言葉にせず、一呼吸置くようにしましょう。