日米金利差は縮小傾向

米国ではインフレが減速する一方、雇用悪化の兆候が見られたことから、米連邦準備制度理事会(FRB)は2025年9月、10月、12月と3会合連続で利下げに動いた。その一方、日銀は1月と12月の政策決定会合において0.25%ずつの利上げを決定するなど、日米の金融政策の転換が見られた。

これによって、日米の金利差はある程度縮小はしたが、依然として大きく、円安が持続することとなった(図表4)。

【図表4】日米政策金利とドル円 ~円安水準継続~

FRBの金融政策は不透明に

2026年の世界経済のカギを握っているのが、「トランプ政策の真価」と「日米の実質金利差縮小」だ。

米国経済については、「減税の影響」と「インフレ再燃リスク」に注意が必要だろう。

2026年には第2次トランプ政権による大規模な法人減税や規制緩和が本格化し、企業活動や個人消費の下支えになることが期待される。

一方、2025年に導入された「トランプ関税」の影響や、不法移民排除にともなう人手不足が、粘着的なインフレを招く懸念もある。

それでも米国の景気は底堅さを保つだろうが、物価高が消費を抑制する「強弱入り混じる」展開が予想される。

となると、困るのは米国FRBだ。金融政策の調整に悩む状況が続くことで、利下げにはより慎重になる可能性がある。

なお、FRBの利下げペースは年2回前後がコンセンサスとなっている(図表5)。

【図表5】日米の政策金利見通し~日利上げ1回以上、米利下げ2回程度~

2026年5月には、パウエルFRB議長が任期満了を迎える。後任にはケビン・ウォーシュ元FRB理事が指名されている。

ウォーシュ氏はFRB理事時代には金利引き上げを推進する「タカ派」と見られていたが、近年は利下げを求める「ハト派」の発言も目立っている。トランプ政権はFRBに対して利下げを強く求めており、ウォーシュ氏のFRBが今後どのように政策運営していくかは不透明だ。