外国人向けのハンコが流通し始めたワケ

在留外国人は日本人に比べて低賃金の場合が多く、また自国に送金しているケースも多いため、日本での消費は日本人の平均値より少ないと思われます。しかし、今後も人口増加が続くこと、そして定住化が進みつつあることを考えれば、さらに有力な市場になっていくでしょう。

すでに日本に住む外国人のためのいろいろなサービスも始まっています。

その一つを100円ショップで見つけました。東京都内にある「ダイソー」のハンコ(印鑑)の収納棚です。外国人用の印鑑が外国姓(中国、韓国)として別枠で売られています。

わざわざそうしているのは、外国人が日本で暮らすにはハンコがないと不便だと感じ、そのニーズを店側がキャッチして、商品として販売したのでしょう。

ちなみに現在、日本に在住する外国人で一番多いのは中国人ですが、次はベトナム人です。そのうちベトナム人やそれ以外の国籍の人びとのためのカタカナのハンコも販売されるようになるのではないでしょうか。

押印している人の手元
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

移民をビジネスチャンスに変える

日本に在住する外国人の多くはさまざまな課題を抱えて暮らしています。自国と異なる習慣や煩雑な手続き、子どもの学校との連絡や医療など、生活においてあらゆる面で日本語や日本の仕組みへの理解が求められてきます。

毛受敏浩『移民1000万人時代』(朝日新聞出版)
毛受敏浩『移民1000万人時代』(朝日新聞出版)

新たに来日した外国人にとって住居探し、銀行口座開設、さらに携帯電話の契約は避けては通れないものです。留学生の場合は在学する学校側が一定程度、同行支援を行うことがあるものの、これらを日本語が不自由な外国人が1人で行うには、極めてハードルが高いものになっています。

裏返せば、外国人の日本での生活にはさまざまな壁があり、それはとりもなおさずサービス提供を求める膨大なニーズ、市場があるということです。外国人の数が増えれば増えるほどその市場は大きくなっていきます。すでに一部の企業は着手しているもののほとんど手つかずの市場にどう参入するかは、企業にとっての新たな挑戦の分野と言えるでしょう。

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