事なかれ主義の奉仕を続ける宮内庁の体たらく
このような状況について苦言を呈した者は、皇族方を含めて大勢いるが、それら全てを紹介することは叶わない。代表的なものとしてもう一人、靖国神社元宮司・松平永芳氏の言葉を紹介するに留めておこう。
「同僚に後れをとってしまうから二年以上はいたくないと思っているようなのです。だから二年の間、事勿れ主義で御奉仕して、箔づけをして帰って行く。ですから、戦後もっとも厭な時代に宮内大臣を仰せつかった私の父(※筆者注:松平慶民氏)みたいに、殿下方に御進言申し上げるようなことをしない」――『祖国と青年』第172号(日本協議会、1993年1月)29頁。
宮内庁はこんな体たらくであり、また各宮家のほうでも長年仕えてくれる人はいまや稀だという。皇族方もこれでは確かに、皇族同士の「横の繋がり」を頼みとなさるよりほかあるまい。
一宮家あたりの養子数は制限すべきでない
さて、現在の宮家を存続させるだけでは心もとない――ということをこれまで訴えてきたが、ここで気になるのが、公明党が次のような見解を述べていることだ。
「皇位継承の流れを不安定化させないという観点からは、天皇陛下ご夫妻、上皇陛下ご夫妻及び皇嗣殿下ご夫妻は養子縁組できないとするのが適切かとも思われます」
これについては自民党も理解を示しており、連立が解消された今もそれは変わらないはずだ。筆者も一理ある考えだとは思うものの、秋篠宮家が対象外とされることは当然、養子を受け入れることのできる宮家がさらに減少してしまうということを意味する。
それはもはや、有識者会議の最終報告書において「十分な皇族数を確保することができない場合」に検討すべきものとされている、第三案の「法律により直接皇族とすること」を真剣に考慮せねばならない事態であるといってよかろう。
しかしながら直接の皇籍復帰については、現皇族と「何ら家族関係を有しないまま」であるがゆえに国民の理解を得にくいのではないか、と指摘されている通りである。
もしも公明党の意見を採用するのであれば、新たな宮家の創立や、断絶した宮家の再興を視野に入れながら、一つの宮家で複数の養子をお迎えいただくという選択肢も前向きに考えるべきではないだろうか。
