ついに生まれた“火星人”
そして1987年、現在の主力シリーズとなる「火星人」初号機が誕生する。これは前述した製品を記憶する機能が初めて搭載された、まったく新しいコンセプトモデルとなった。操作性の向上により簡単に操作できるようになったことに加え、成形された製品のブレも少なく、食品成形機のなかで最も数多く出荷されたシリーズに成長した。
また、本体上部に2つのホッパー(生地とあんを投入する部品)が並び、まるで目が2つある宇宙人のように見えたことから、遊び心で「火星人」と名付けられる。こうした愛称も広く受け入れられ、ヒット作へと成長した。
その後もモデルチェンジは続き、1994年には女性でも使いやすい背丈が低いモデルを開発、2020年に前出の「火星人CN700」へと辿り着き、現在にいたる。
「火星人CN700により、生地の中に豆やチョコチップなど固形物が入っているものでも、素材を潰すことなく成形できるようになった。今では、あんがとろとろと液状に近い饅頭や、生地と内包材で温度差が大きい餅アイスクリームなど、手作業では成形が難しい製品も作れるようになりました」と小林氏は振り返る。
ここ10年で売上高は2倍以上に
「火星人CN700」のヒットをはじめ、ここ数年のレオン自動機は増収増益が続いている。
2022年3月期の売上高は265億8500万円(うち営業利益10億9900万円)、23年は352億6900万円(同30億700万円)、24年は377億300万円(同48億8300万円)、25年は392億1400万円(同52億9800万円)。
直近10年で売上高は2倍以上に膨らみ、直近2年は過去最高の数字を記録している。
躍進の大きな一因には、海外展開が関係している。近年の海外売上高の比率を見ると、2019年3月期に海外が約53%だったのが、2025年3月期には約69%にまで拡大。もともと1968年から海外に輸出を続けてきたなか、いまでは世界130の国と地域に販路を拡大している。
中国の月餅や中華菓子、欧米のペストリー、東欧のピロシキ、あるいはイスラム教徒圏でのラマダン(断食)明けに食されるナツメヤシやナッツが入ったマームール。世界各国の民族食にも対応することで、レオン自動機の業績は膨らんでいく。
初号機の誕生から60年以上、機械のアップデートの背景は「商品開発がすべて」と小林社長。開発から営業、技術サービスまで、部署を跨いで顧客目線を徹底し、現場からの意見を吸い上げている。


