修行僧を拒めば、路線が消える
「マイル修行僧」で賑わいを見せているにもかかわらず、多良間島~宮古島間の航路の実績は、以下の通りだ。
年間席数 7万850席 利用 4万4229人 搭乗率 62.4%(令和5年度実績)
ほかの離島と比べても席が埋まっておらず、与那国・久米島とともに、運航費の欠損補助(赤字補填)の対象路線となっている。
航空路線のある島の中でも人口が少ない多良間島は、1日2往復の航路を維持するために、少しでも利用を伸ばさなければいけない……が、ほかの補助対象航路と比べて観光地も少ないとあっては、搭乗率をこれ以上稼ぐのは、きわめて難しい。
「マイル修行僧」の予約が殺到したことで、地元利用ができない事態が起きてしまったのは残念だ。多くの人は島の中心部にも観光地にも立ち寄っていないため、「島にお金を落とす」といったメリットも得られない。多良間島民によると、今回の騒動で否定的な見方をしてしまう人も増えたという。
残された一手は「共存」のみか
しかし、この搭乗実績では「マイル修行僧」を遠ざけると、搭乗率の低下で「人口1000人の島に1日2便」という運航体制を存続できないかもしれない。
ここで島の人々のための専用予約席を設定できれば良いのだが、JALに問い合わせても「俗に言われている『村長席』(緊急用に席を開けておく制度)のような制度はない」とのこと。
あくまでも島内の人・島外の人のバランスを取りながら航路を運営する以外に、「1日2便」を存続させる手はないだろう。
全国では、搭乗率を上げるために「マイル修行僧」に記念品を贈呈して歓待するような空港(オホーツク紋別空港、コウノトリ但馬空港など)もある。
今回のような騒動は「多良間空港だけで起きた」(JAL広報部見解)とのことだが、残された一手は「島民とマイル修行僧の共存」以外にないようにも思え、悩ましいところだ。




