「全員ヘルメット」の実現が最大の課題

3問目、ヘルメットは「努力義務」だ。しかし、シェアサイクル、シェア電動モビリティ、どちらであっても、装着率はほぼゼロである。この課題に対するシナネンの回答は――。

ヘルメットを装着して電動スクーターに乗る筆者
筆者提供
ヘルメットを装着して電動スクーターに乗る筆者

「シェアサイクルにヘルメットを置いても、誰もかぶりません。サイズの問題、アタマの形の問題もありますし、他人が使ったヘルメットをかぶるのはいや、という意識もあります。特に女性は髪型が崩れるのを嫌うので、ますます被らないのです」

それもその通りで、現実として自転車ヘルメットが完全義務となっている国、オーストラリアやニュージーランドでは、自転車に乗る女性が減ってしまった。

「今後の課題として最も難しい部分だと思います」

ただし、一般の「自分の自転車」に関しては、すでに装着率は2割を超えた。なんとか試行錯誤を続けていただきたいものだ。

3社ともがんばっているが時代は止まらない

正直申しあげて、聴衆の反応も含め、シンポジウムでの議論は盛り上がったものの、内容的には不完全燃焼だったと思う。あちらを立てればこちらが立たず。なおかつ3社が同時かつ共通して取り組んでいる事例、というのはなかった。しかしながら、3社が3社なりに問題意識と危機感を持っていることだけは分かったのだ。

しかし時代のスピードは止まらない。

冒頭で書いたように、京都府は1月19日、Luup社と連携協定を結び、職員の移動手段として電動キックボードを導入するというプランを打ち出した。

Luupと連携協定を結んだ京都府
Luupと連携協定を結んだ京都府(画像=プレスリリースより)

過大なインバウンド観光客によって交通麻痺に陥っている京都の交通を鑑みて「窮余の策」だという。

西脇隆俊知事は「職員の利用はもとより、京都府庁や国の重要文化財にも指定されている旧本館に来られる方々など、府民や観光客の皆様にも幅広く御利用いただきたいと考えております」とコメントしている。

しかしどうだろう。

私に言わせると、ただでさえ麻痺状態の京都に公的機関が新モビリティを導入して、それが新たなカオスを生み出さないだろうか。