超ユニークな「11超」コンセプト

先日、当時の辣腕デザイナーを直撃しましたが、70~80年代のイケイケなホンダらしいユニークすぎる開発テーマが面白い。

それは「11超(ジュウイチチョウ)」と呼ばれ、●超低ボンネット●超低エンジン、●超低サスペンション、●超視界、●超フィットシート、●超エアコンディショナー、●超高視認性、●超グラッシー、●超フラッシュサーフェス、●超ワイド&ロースタンス、●超低トレーインパネなど全11項目。

こういうコンセプトの存在自体が、時代の空気を物語ります。いまならさしずめ●超低排出ガスとか、●超電動感、●超スペースユーティリティになりそうで、言わば流行歌のように当時の走るトレンドセッターが作られていたわけです。

2代目には、それまでのホンダからは考えられない斬新なオレンジ色の液晶デジタルメーターが。
2代目には、それまでのホンダからは考えられない斬新なオレンジ色の液晶デジタルメーターが。(画像提供=本田技研工業)

初代はセールス的には国内約4万台と伸び悩んだものの、プチフェラーリ的な2代目モデルが約16万台と大爆発し、3代目も17万台と一世風靡。その後スタイルが微妙に変わった4、5代目で落ちて2001年に消えるわけですが、確かに時代に爪痕を残しました。

いわば速そうな雰囲気と低い視界を持った「陸サーファー」の的な存在で、薄っぺらいと言えば薄っぺらいコンセプトでしたが、そこがまた時代的で良かったのだと思います。

エンジンサウンドの秘密

復活した新型6代目。一見初期のリバイバルですが、スタイルはもちろん中身の充実度もかなり違います。ボディサイズは全長4.5m台と長めで全高も1.3m台と現代乗用車としては低めですが、初代ほど極端な「超低」ではありません。

なによりスタイルは一見カッコ最優先の2ドアクーペですが実際には3ドアハッチバック。美しいリアビューはにポルシェクーペっぽいのですが良く見るとハッチゲートが付いており、使い勝手も悪くないのです。

車内はリア狭めの2+2の4名乗りで、ラゲッジ容量は264Lですが、リアシートを畳んで2人乗車レイアウトにすると500L前後まで広がり、ゴルフバッグを2セット、さらに助手席を倒せばサーフボードも2セット積めるとか。

ゴルフバックも2セット積める。
ゴルフバックも2セット積める。(画像提供=本田技研工業)

またベースが乗用車のホンダシビックである部分はこれまでと似ていますが、パワートレインは現行ハイブリッドの2リッターe:HEVを進化させたもの。2Lエンジンをほぼ発電用として使い、実際の駆動はフロントに積んだ184ps&315Nmの電動モーターで行います。

よって、実際の加速感はほぼバッテリーEV的なのですが、ここからが従来のホンダハイブリッドと違うところで、実はエンジンサウンドをあえて演出として使うのです。

現在は新型プレリュード専用である「S+shift」なる新機能を備えており、モードスイッチを入れるとほぼ車速に連動して、エンジンがブンブン♪ と勝手に回ります。

新しいパワーユニット制御技術、Honda S+ Shiftが搭載。加減速時には、有段ギアのトランスミッションを搭載しているかのような感覚を味わえるという。
新しいパワーユニット制御技術、Honda S+Shiftが搭載。加減速時には、有段ギアのトランスミッションを搭載しているかのような感覚を味わえるという。(画像提供=本田技研工業)

エンジンは発電用で、実際には高速走行を除きタイヤを回してはいないのに、演出として回転変動するのです。体感的には8速MT付きエンジン車のような疾走感が得られます。そしてコイツが峠道ではなかなか楽しい!