「自分のこだわり」より「共感」

となれば、かぎりなく著者である僕の色を薄め、自分語りのエピソードもできるかぎり少なくしよう。普通の本より文字数と行数をはるかに減らそう。かと言って内容が浅いわけでもなく、「そうそう、それあるよね」と、とにかく読者に共感してもらえる本をつくろうといった、本の性格みたいなものが決まっていった。

永松茂久『読まない人に、本を売れ。』(ライツ社)
永松茂久『読まない人に、本を売れ。』(ライツ社)

それまでの僕は自分流のスタイルや表現、つまり自分の在り方にものすごくこだわって本を書いてきた。もちろんそこを愛してくださる読者もいてはくれたが、結果的にそれが故に部数が頭打ちになっていたことは否めない。

これまでつくってきた飲食店、スタッフ、そして九州の仲間たち。そのすべてを置いてでも東京に来た僕の目標は「日本一の著者になる」ということだ。当然、僕のことを知らない人が本に手を伸ばしてくれなければ、日本一はおろか、10万部を超えることなどできない。

こうした流れから、それまでの熱めの生き方論やビジネス論を書いてきた永松茂久というイメージは、すべて取っ払って書くと決めた。

図書館の本棚
写真=iStock.com/mirina
※写真はイメージです
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