人生はRPG、最初は弱い敵から倒していく

小さな一歩から始めて、大きく成長していくのは、やはり『ドラゴンクエスト』などゲームのRPGと同じです。

最初は「ひのきのぼう」「こんぼう」などの貧弱な武器で、スライムなどの弱い敵を倒すところから始まります。

そのうち仲間も増えたりして、異国を旅しながら、主人公は少しずつ強くなっていきます。そして終盤では、伝説の武器を手に入れて、ついに物語の核心に近づいていく……というわけです。

一気にラスボス(最後の強敵)を倒せるわけではなく、身の丈に合った弱い敵を倒しながら、そこにジリジリと近づいていくから没入感が増すのです。

「徐々に自分が強くなっていって、できることが増えていきながら自己効力感が増していく」という過程は、まさに私たちの人生そのもの。ゲーム感覚で、いまの自分から少しずつ変わっていけるとしたら、面白いと思いませんか?

RPGと同様に、今日か明日までに大きな成果を得なければなどと、あせる必要はまったくありません。あまり急ぎすぎると、自己受容サイクルが逆回転して、自己否定のサイクルに戻ってしまう可能性があります。

じっくりと、のんびりと、理想の自分に近づいていきましょう。

自分の顔が嫌いな女性が鏡を見られるようになった方法

最後に、「ベビーステップ」「3分チャレンジ」のエピソードをお伝えしましょう。

「部屋の一角だけ3分間片付けるようにする」

こんなベビーステップを行ってもらったのは、片付けが苦手な40代の女性。

子どもが大きくなってきたので仕事に復帰したのですが、旦那さんが家事を分担してくれず、ワンオペ状態。

忙しいだけでなく、片付けへの苦手意識も夫への不満もあるため、片付けを先延ばしにしがちになり、かなり散らかってから、嫌々片付けをしていたそうです。

散らかった部屋に立つ女性
写真=iStock.com/Motortion
※写真はイメージです

最初は「こんなことで、変わるわけない」と半信半疑でしたが、1週間後には「毎日少しずつ片付くのが楽しくなった」と笑顔で報告してくれました。

片付けへのハードルが下がって、やれたという自信もつき、苦手意識もなくなりました。いまでは、もう楽しいくらい。

しかも子どもたちまで真似をして、自分から片付けを始め、つられて旦那さんも手伝ってくれるようになり、家族全体の空気が変わったそうです。

「毎日3分間だけ歩く」

運動不足だった30代男性は、「3分だけ歩く」から始めました。

「今日は天気がいいから、もう少し歩いてみようかな」と、となり町の公園まで足を延ばしてみたり、「ここから家まで、ちょっと走ってみようかな」と、ランニングに発展していったり……。

そして、次第に少しずつ目標がふくらんで、驚いたことに、3年後にフルマラソンを完走しました。

「1日3回、鏡をチラッと見る」

これは3分間ではないですが、こういう目標設定もありです。ちょっと変わったベビーステップですね。

矢場田つとむ『すごい自己受容』(KADOKAWA)
矢場田つとむ『すごい自己受容』(KADOKAWA)

20代前半の女性会社員には、見た目へのコンプレックスがありました。

私から見れば全然かわいらしいと思うのですが、鏡に映る自分を見られなくなってしまっていたのです。

私は「1日3回、鏡をチラッと見る」ことを提案しました。直視はできなくても、少しずつ、鏡に映る自分に慣れてほしかったのです。

そして、「見たくない」という感情を否定せず、静かに「ああ、いま、そう感じているんだね」とそっと胸に抱きしめるように伝えました。

その後、鏡も増やしたりして、その1週間後には、彼女は「自分の顔、こんなだったんだ」と笑っていました。

そのうち、自分の顔を魅力的に見せるおしゃれやメイクを試すようになり、1年後、彼女は「素顔の自分を好きになれた」と報告してくれました。

ほんの小さなベビーステップが、こんな奇跡を起こすのです。

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