笑顔でネガティブなことは思いつきにくい
感情を変えたければ今この瞬間の姿勢を見直す。
それだけで気持ちが変わる。
この本を読んでいるあなたは、今どんな姿勢でしょうか。
背中が丸まっていないでしょうか。
禅の世界には「調身、調息、調心」という考え方があります。これは「からだを調えることで息が調い、息が調うことで心が調う」という考えで、どれか一つを欠いても、他は成り立たないとされています。
姿勢は心を整える基本であり、始まりです。
日常を振り返ってみてください。眠気を感じるときや、憂鬱な気持ちのときなどは、姿勢が悪くなっていることがほとんどです。人の心というのは、姿勢とリンクしているのです。
小さな実験をしてみましょう。自分の口角を上げてニッコリしながら、思いつくままにネガティブなことを口にしてみてください。……どうですか。言葉が浮かんでこない人のほうが多いのではないでしょうか。
これも、姿勢とネガティブな感情の原理と同じで、からだと心がリンクしているから。笑顔のときはネガティブなことが思いつきにくいのです。
「手を3分間観察する」と同じ効果を
ハンドクリームを塗りながら手を見る。
当たり前の手の感覚に、意識を向ける。
生活の中で一番はじめに感覚が伝わることの多い「自分の手」。
でも、手そのものに注目し、労わる瞬間はあまりないものです。
普段ハンドクリームを使っている人は、クリームを塗るとき、何かをしながら塗るのではなく、自分の手の感覚に集中してみましょう。
クリームに触れる感覚から、馴染んでいく温度感。指1本1本、関節一つひとつへと丁寧に広げていきながら、今この瞬間の目の前にある手に「いつもがんばってくれてありがとう」と、感謝を向けていきます。
私がご紹介しているマインドフルネスのワークに「手を3分間観察する」というものがあります。
試しに少しの間、手のひらを観察してみると、シワの細かさや、ドクドクと脈打つ感覚、ほんのわずかな温もりなど、意外とたくさんの気づきがあるはずです。
「手を観察すること」はこの本を閉じたら忘れてしまいそうですが、ハンドクリームを塗るタイミングで手に集中することならできそうではないでしょうか。

