セツは“八雲の姿勢”に共鳴したか

武家の娘でありながら、没落した家の重荷を背負い、「外国人の妾」として世間の好奇と偏見の目にさらされることになったセツ。八雲はそのセツの中に、社会の周縁で声なき声を上げる人々の姿を見ていたのかもしれない。

そしてセツもまた、自分たちのような「見えなくされた者たち」の物語を記録しようとする八雲の姿勢に、深く共鳴したのではないだろうか。

二人の出会いは、単なる恋愛ではない。忘れられていく者たちへの、共通のまなざしがあったのだ。

妻の節子と長男の一雄と共に写るラフカディオ・ハーン
妻の節子と長男の一雄と共に写るラフカディオ・ハーン(写真=市田左右太/小泉節子『思い出の記』:毎日がエドガー・ケイシー日和/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons)

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