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コンセプト型(黄)とディテール型(緑)の会話

では、このEGをビジネスの場面に応用してみよう。たとえば、上司と話がかみ合わない場合。相手のスタイルを見抜くにはどうすればいいか。

わかりやすいのは、思考スタイルよりも行動スタイルだ。思考は目に見えないが、行動は目に見えるからだ。たとえば、自己表現性が強いタイプの上司は、レストランに入ると必ず「これおいしいな」とか「これ最高だな」といった感想を、頼まれもしないのに漏らす。基本的に詠嘆であり、独白である。一方、自己主張性が強いタイプも一見同じような言葉を口にするが、「君もおいしいと思うだろう」というように、同意を求める。言葉は似ていても、まったく違う行動なのだ。

行動スタイルが違う人間同士がうまくコミュニケーションを取るには、双方が自己表現性や自己主張性などの強いほう(右より)、弱いほう(左より)の特徴を理解したうえで歩み寄ることだ。多弁な人はしばらく黙っているようにする一方、無口な人は普段の自分より多少口数を多くしてみる。何も機関銃のように喋れというわけではない。たとえば、相手の柔軟性が弱い(逆に言えば、一貫性が強い)と見抜けたら、私のように思いつきで店を変えたりしないことである。

思考スタイルは相手が表現してくれない限り把握できないが、仮に相手が無口な人だったとしても、ごく短い口癖から推測することは可能だ。

たとえば分析型(青)は、ディテール型(緑)のように順を追って話をするのが嫌いだ。当然、話し相手にもそれを求めない。分析型の上司の口癖は、

「で、結論は?」

である。