専門家「根拠不明の費用の提示、珍しくない」

このように、法外な値段を請求されたわけではなくとも、退去時費用が適正であるかどうか、判断に困る場面はある。この点について、東京総合法務事務所の代表司法書士・西村茂二郎氏は「退去費用に関して、過大請求のトラブルは依然として多い」と指摘する。

「民法によって、通常使用による損耗や経年劣化――たとえば日焼けや家具の設置跡など――の修繕費用は貸主負担となることが決められています。しかし、根拠不明の費用を提示されたり、本来であれば通常損耗の範囲内であるはずの費用を請求されるケースも、珍しくありません。

借主が自力で交渉するとなると、相場がわからないまま提示額を受け入れることになりかねず、結果として不利に働く可能性が高いです。早期に専門家に相談することによって、トラブルの深刻化を防ぐことができるものと考えます」