あらゆる質問に答える7つのパターン
すべてが終わったのちに、“環境条件が異なる”ことをキーワードにして伝えれば済んだことだと思い当たった。詳細なら日本にいる外国人vs実験の環境の違いであり、「海外にいて意識さえ持てば、常にその言語のインプット状態にあること」「おかれた立場上、習得のモチベーションが高いこと」「実験は結果を出すための条件設定が必要であること」「書くのは実験環境での集中力を促すため。実験上の成果を目で見るため」などである。“環境条件の説明”を回答パターンのひとつとして用意しておけば、ほかの質問にもかなり幅広く応用が効いたはずだ。
もちろん、あらゆる質問が考えられるため、すべてに答えるのは至難の業。そこで、想定される質問をおよそ7つほどに分ければ(*)、あらゆる質問に近い答えが導き出せるとされる。もちろん、想定したとおりの質問がくるわけではないし、同じことを聞いてきたとしても質問の仕方はさまざまだろう。それでも次のような準備をすれば、ほぼあらゆる場面で回答できるというわけだ。
1.質問される可能性がある項目を書き出す。
2.質問を7種類ほどに分類し、名称をつける。
3.7つの質問箱を用意して分類した質問を入れて番号を振り、名称を当てはめて各質問に広く応用の効く回答を用意して入れる。その際、キーワードを複数当てはめておく。
4.質問に応じて1~7から回答を引っ張り出し、応用して自信を持って返す。
こうしたパターンを用意することで、質問そのものに答えていなくても応用がきくために、米国の政治家などはよくこうした準備をしているようだ。
たとえば営業に出たときには「スペック」「価格帯」「市場」……などの質問で7項目。「A製品よりも5%消費電力が多いようだけど?」と聞かれ、もしA製品との比較データなど想定外だったとしても、キーワードを「消費電力」として「スぺック」の中から回答を探してみる。そして「おっしゃる通りですが、実はパフォーマンスは従来よりも30%高くなっているため、それ以上にメリットが大きいと思います」のように答える。質問そのもののA製品との比較データを持っていなくても、質問の的をはずさずに「メリットがある」という回答ができるというわけだ。
あとは、回答を見つけるまでの時間はこんな風に稼げばいい。