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マツダ社長兼CEO 小飼雅道(こがい・まさみち)
1954年、長野県生まれ。77年東北大学工学部卒業後、マツダ入社。2004年執行役員防府工場長、10年取締役専務執行役員。本年6月より現職。


 

8月27日、山口県にあるマツダの防府工場では、乗用車の累計生産台数1000万台達成を記念するセレモニーが行われた。1982年の操業開始以来、30年あまりが経過したが、ここの工場長の経験もある小飼雅道社長は「1000万台達成をさらなる成長へ向けた通過点と位置づけ、これからも魅力ある商品を届けるために取り組んでいく」と、感慨深げにあいさつした。

マツダは国内生産比率が7割と高く為替変動のリスクに長らく苦しめられてきた。円高是正の追い風もあって2013年3月期連結決算では、5年ぶりに最終損益で黒字に転換。それを花道に6月末には、前任の山内孝社長は会長職に専念し、専務執行役員の小飼氏が社長兼CEOに就任した。

社長のイスを射止めるには、会社に利益をもたらす大きな“手柄”が決め手となるが、生産技術畑のエンジニアである小飼氏のそれは、その防府工場などの生産現場に凝縮されている。例えば、モジュール生産方式の導入やロボット化による塗装工程の短縮、さらに、エンジンなどの加工ラインでは40から4工程に集約するなど、超円高下でも利益が出せる「モノ造り革新」に最前線で取り組んできた。

もっとも、小飼社長は「モノ造り革新に終わりはない」と断言。社長就任後も構造改革の手を緩めない。当面の課題は、来春にも稼働するメキシコ新工場に国内で培ってきたノウハウを移管させること。それに、「復配」だ。

マツダの歴代トップには地元「広島カープ」の熱狂的なファンが多い。実直でシャイなタイプの小飼社長も小声で「カープも好きです」。しかし小飼社長は、長野で生まれ、高校の途中まで新潟で暮らし、大学時代は東北の仙台。西日本出身者が多いマツダマンの中では異色の存在でもある。

(写真=PANA)
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