「戦争ではない」と言い逃れられる余地
中国が火器管制レーダーを自衛隊に向けて照射したのは今回が初めてではない。2013年にも海上自衛隊護衛艦に向かって照射している。
レーダー照射とは、本来、攻撃対象を捕捉するために行われる行為であり、軍事的には極めて強い威嚇を意味する。実戦では、ミサイル発射の直前段階にあたることも多い。ただし、中国側は「訓練」や「誤解」と説明し、武力行使ではないとの立場を崩していない。
グレーゾーン事態の本質は、自国が戦争を決断せず、相手にも戦争を決断させないことにある。ここで日本が強く出れば「挑発」と批判され、何もしなければ相手の行為が既成事実として定着する。相手に明確な敵対行為と認識させながら、同時に「戦争ではない」と言い逃れできる行動をとる。それによって相手の反撃や強硬対応を封じ、政治的・法的な判断をためらわせる。
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