「生母のことが知りたい」
「私が担当した子で、『2000年に僕は生まれました』って言っていたから、今、25歳。『生母のことが知りたい』と私に連絡が入ったので、来週くらいにその子と一緒に児童相談所の面談に行きます。養母さんは数年前に亡くなられています。生母のことを知りたいという思いが出てきたようです。縁組みして終わりではなく、親御さんや大きくなった子どもたちとつながりが続いています。縁組みをした女の子の結婚式に呼ばれたこともありました」
彼女は、養親と一緒にサロンに継続的に参加していて、成長を見守っていた一人だった。養親は彼女が高校生の頃に関わり方についてずいぶん悩んでいた。それが今や、結婚して母親となり子育てをしている。「そんな姿を見るのは『赤ちゃん縁組』冥利に尽きます」と、萬屋さんは言う。
「県外、長野や福井の里親にお願いした赤ちゃんもいます。愛知県の子どもは『愛知方式』でつながっていますね、いろんなところに」
萬屋さんは今日も研修や講演、学習会など、さまざまな活動を通して「愛知方式」を広めるためにアグレッシブに動いている。「家族の出発」に関わった者として、細く長くその家族を応援していきたい、見守りたいという萬屋さん。その生きざまに、一切の迷いはない。
次回はぜひ、「愛知方式」で結ばれた親子に会いに行きたいと心から思う。



