次が決まっていないときはどうするか?

突然辞めると宣言して仕事を放り出すのは短期的な解放感をもたらすだけ(Getty Images=写真)

退職する前に、次に何をやるかを決めることでリスクをある程度軽減できる。2人の専門家はどちらも、本格的な計画とまではいかなくても、少なくとも「次に何をやりたいか」というイメージを持っておくほうがよいと言う。

「嫌な状況から逃れたいという一時的な感情で動くのではなく、前向きな仕事を手に入れるために退職するべきだ。今の仕事が本当に嫌いなら絶対に辞めるべきだが、その前に、この先好きになる可能性が高いことを見つけておく必要がある」と、グラティは言う。

シュレシンジャーはこう付け加える。「私なら、なんらかのプランが固まるまでは辞めないだろう。それは次に何をすればわくわく感を持てるかを確かめるための実験でもよいし、何かを実現するための意識的な戦略でもよい」。

もちろん、それは必ずしもいつも可能なわけではない。「多くの人が次に何をするかを決めないまま退職する。金銭的不安がない場合や、何にも邪魔されずにじっくり考える時間がほしいと思っている場合はとくにそうだ」と、グラティは言う。

いきなり辞めると宣言して仕事を放り出すことを夢見ている人がいるかもしれないが、それは短期的な解放感をもたらすだけで、その人の職業人生をめちゃめちゃにするおそれがある。「まずい状況に陥って、まずいやり方でそこを去ることほど具合の悪いことはない。去り方は出合い方と同じくらい重要だ」と、シュレシンジャーは言う。退職という決断について、自分にとって大切な人々、例えば配偶者、子ども、友人とよく話し合ってみよう。メンターやかつての上司にアドバイスを求めよう。なかでも最も重要なのは、「上司の視点から物事を見て、礼儀にかなった退職の仕方をするにはどうすればよいかを考えることだ」と、シュレシンジャーは言う。

グラティも同様のアドバイスをする。「辞めると決意し、いつ辞めるかという腹づもりをしたら、直属の上司にそれを伝えて適正な手続きに従うことが必要だ」。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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