年次査定評価に重要なヒントが潜んでいる
また、退職すべきときかどうかをさらに深く探るために、いくつか実験をして自分の認識が現実と合致しているかどうか調べよう。
「動かずにただ考えるより、人々との生のやりとりから集めた情報をもとに判断するほうがよい」と、シュレシンジャーは言う。彼が勧めるのは、自分は上司からどう見られているかや、今の仕事で自分は何を得られるかについて、上司と率直に話し合うことだ。上司はそのような話し合いを歓迎しないだろうと思うなら、過去2年間の自分の年次査定評価を見ればよいと、グラティはアドバイスする。
「そこに記されている上司のコメントは、あなたを力づけてくれるだろうか、それとも落胆させるだろうか。最善の努力をしているのに評価が低いままなら、評価がさらに下がる前に退職したほうがよいかもしれない」と、彼は言う。
自分に合わない仕事かどうかを調べるもう1つの方法は、自分の部署が注目を浴びる仕事をすることになったとき、その仕事を担当する意欲を見せることだ。上司がそれに気づかないふりをしたら、それは彼があなたのスキルをあまり評価していないということかもしれない。次の仕事に向かって踏み出すべきときだ。
また、最終決断をする前に退職のマイナス面を必ず検討するようにしよう。今の仕事は自分に合わないと確信している場合でも、退職することにはリスクがある。現在の人間関係を損なったり、必要な収入を失ったり、経歴に傷がついたりするかもしれないのだ。
グラティによれば、人には通常、一生の間に10回転職のチャンスが訪れ、それはつまり、平均すると4年に1回ということだ。
「それよりずっと頻繁に転職していたら、企業からジョブ・ホッパー(転職常習者)とみなされるようになる」と、彼は言う。それはその人の職業人としての信用や、この先職を得るチャンスを損なうことになる。「これがとくに問題になるのは、本当にやりたい仕事を見つけたときだ。いいかげんな経歴のために、その仕事を得られないことがあるからだ」と、グラティは言う。