「縁の隙間」活用で年収が上がる!?

図を拡大
ストラクチュアル・ホールとは……

次は人のつながりの「構造について考えてみましょう。なかでも紹介したいのが、シカゴ大学のロナルド・バート教授が提唱し、現在のネットワーク理論の中心的な考えとなっている「ストラクチュアル・ホール(構造的な隙間)」です。

たとえば、AさんはBさん、Cさん両方と知り合いで、BさんとCさんは知り合いではない、という状況だとします。Bさんは車を売りたくて、Cさんは車を買いたがっているとしましょう。この場合、BさんとCさんは互いを知りませんから、結果Aさんだけがその間に入って売買を成立させることができます。このようにストラクチュアル・ホールに恵まれている人は、その「隙間」を活用してブローカーのように両者をつなぎ、情報をコントロールし、そこからメリットを得られるのです。

バートは、2000年に発表した論文の中で、アメリカとフランスの大手企業のマネジャーの人脈を精査してストラクチュアル・ホールを計算し、給料との関係について統計分析を行いました。その結果、米仏どちらでも、ストラクチュアル・ホールを多くもつマネジャーは年収が高いことが判明したのです。それ以降も多くの経営学者がこのテーマで統計分析を行い、同様の結果が出ています。