「少しでもラクな方法を探す」

【効率化の戦略③】
「自分のやり方」に執着しない

人間には、自分のやり方が正しくて、人のやり方は間違っている……と思い込んでしまう傾向があります。

体力に自信がないビジネスパーソンであれば、 「自分のやり方は変えない」と意固地になることは、デメリットしかないと考える必要があります。

「自分のやり方は正しい」と思い込んで意地を張ると、柔軟な対応が取れなくなって、上手くいかないことが多くなります。

「自分はこんなに努力をしているのに、なぜ成果が出ないんだ?」と不満ばかりが募ることになって、メンタルをやられたり、体調を崩す原因になるのです。

自分のやり方に固執してしまうと、次のような状況に自分を追い込むリスクが高まります。

①新たな変化に対応できない
②周囲の信頼を得られない
③仕事の効率が低下する
④ストレスが溜まる
⑤成長の機会を失う

体力に自信がないと思うならば、「自分のやり方」を押し通すのではなく、「あれがダメだったら、こっちがある」とか、「こちらがダメだったら、別の方法を探してみる」など、自分の考え方を柔軟にすることを優先する必要があります。

その原点にあるのが「少しでもラクな方法を探す」という視点を持つことです。

自分のやり方に執着することは、少しでもラクな方法を探す……というアプローチの妨げになるのです。

ポジティブな気持ちで失敗と向き合う

【効率化の戦略④】
失敗したら「別の方法」を考える

仕事で何か失敗をすると、 「次もまた失敗するのではないか?」 という予感がして、不安になることがあります。

こうした経験は誰にでもあると思いますが、その予感はほぼ的中します。

失敗した人の多くが、失敗した時と同じやり方を繰り返して、新しいアプローチを工夫していないからです。

「失敗学」を提唱した東大名誉教授の畑村洋太郎先生は、「失敗は成功の元ではない。きちんと失敗と向き合わないと、同じ失敗を繰り返してしまうものだ」と説いていますが、まったく同感です。

同じ方法論を繰り返していたのでは、失敗ばかりが続いて、貴重な時間と自分のエネルギーをムダに消耗することになります。

松下幸之助は、「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」という言葉を残していますが、体力に自信のないビジネスパーソンが、仕事を効率的に進めるためには、失敗から改善点を探し出すという視点を持って、素早く別のやり方を見つけ出す必要があるのです。

PCを前に思案するビジネスウーマン
写真=iStock.com/Yuto photographer
※写真はイメージです

「失敗したら別の方法を試す」という考え方は、失敗を成長の機会と捉え、諦めずに次の行動につなげることを意味します。

別の方法でやっても、また失敗する可能性はありますが、失敗した方法を繰り返すよりも、失敗の確率は確実に下がります。

体力のないビジネスパーソンにとっては、「ポジティブな気持ちで失敗と向き合う」というアプローチを実践することが、自分のエネルギーとメンタルの平静を維持するための重要なステップとなるのです。