なぜNHK会長の「失言」を報じないのか
時あたかも、稲葉氏の次の会長に、いまの副会長・井上樹彦氏が任命された。このニュースは、NHKみずからを含めて、ほぼ全てのメディアが、大きく報じている。たしかに、18年ぶりの内部出身者であり、国内のみならず世界にも名を轟かす放送局のトップ人事なのだから、大きく扱わないわけにはいかない。
であればなおさら、いまのNHK会長の、それも、国会審議での「失言」を、ほぼ、どのメディアも取り上げないのは、なぜか。そこに加えて、上記のように木で鼻をくくったような、肩透かしのような答えをNHKが出している以上、これまでよりさらに、同業他社はスルーするのではなく、追及すべきではないか。
井上・次期会長の就任にあたっての記者会見で、どのメディアが、どこまで、この稲葉会長発言について、問いただしたのだろうか。記事を見ているかぎり、ほとんど見当たらない。
これを護送船団と言わずして、なんと言えば良いのか。
問題はNHK会長の発言だけではない。その発言を報じない同業他社を含めた、日本のメディア全体が問われているのである。

