目立たないが本当に有能なマネジャーの特徴

「一方ですね。PとD、Plan Doを重視するマネジャーもいます。はじめにしっかりと部下と話し合って作業計画を練る。そして、日々こまめに進捗をみる。こういうことをやっていると実はその後、ことさらイベントじみたチェックとかアクションとかいうことは不要になってきます。私は本当に有能なマネジャーはこのタイプだと思っているのですが、こういうマネジャーは社内ではなかなか目立ちにくいですね。問題が起きたと騒いで陣頭指揮をしているマネジャーのほうが目立つんです。一見有能そうに見えるんですね。ですから、経営者のみなさんはそれに騙されてはなりません」

なぜCA重視のマネジャーが多いのだろうか? 金井氏は以下のように考察している。

「なぜCA重視のマネジャーがそんなに多いのかというと、育ち方がそうだったというのもあるが、やっぱり最初何も考えずにやっとけというのはものすごく楽なんですね。それから今申し上げたように、後から部下のやったことに対してケチをつけるのも楽だし、しかも自分の優越感をそこで発揮できるんですよ。これが気持ちがいいんですよ。でも本当の気持ちのよさはチームがトータルで一番効率良く仕事をすること。ここに是非気が付いていただきたいと思います。いっつも忙しくしている職場って、たいていCA重視のマネジャーがやっていることが多いのが実感です」

実は、CA重視マネジャーが多いのは、そうやって育てられてきたし、そのほうが楽で、目立つし、そういう人が出世してマネジャーになる例が多いのが現実。では、どうやって、変えられない過去を云々するCA重視マネジメントから、変えられる未来に集中するPD重視マネジメントに変えればいいのだろうか。