「雇用の不安定さ」と「冬の寒さ」が不安の原因に

もう完全な暴君。トキが一家を支えなければならないことをネタにやりたい放題しているようにも見えてしまう。とんでもないブラックな職場である。

これまでも、八雲がなにかと怒る面倒くさい面があったことは記してきたが、これには複雑な事情がある。

まず、収入である。当時の金額で月給100円は高額である。ところが、松江に到着する前、東京で交わした契約書の契約期間は「1890年9月より7カ月」。その後、延長されたとはいえ、雇用は不安定である。日本に魅了されていた八雲であったが、このままでは根付くことはできないかもしれないという不安は大いにあったことは想像に難くない。