鮮魚店でもなかなか見られない低利用魚

三河湾の小型定置網でもときどき獲れる低利用魚がタカノハダイだ。鱗が硬くて除去しづらいだけでなく、独特の匂いがある。漁師が売り先に困っているので筆者は積極的に仕入れるようにしているが、正直言って他の人には勧めにくい魚種の1つだった。

「磯に棲んでいるタカノハダイは漁場によっては内臓が強く臭うことがあります。でも、うちの店が仕入れている鹿児島県産のものは臭みではなく、磯の爽やかな香りがします。透明感がある身は歯応えも良くてお刺身にもおすすめです」

鎌倉にある鮮魚店「サカナヤマルカマ(以下、マルカマ)」の店頭でこの魚を解説してくれるのは企画・広報を担う狩野真実さん。マルカマは鹿児島県阿久根市の仲買人も理事に名を連ねている「協同販売所」であり、多様な魚種が水揚げされる阿久根港から空輸にて仕入れている。鮮度が良くて適切な下処理をしている割には1キロほどあるタカノハダイが1900円とは安い。同じサイズの人気魚種ならば4000円はするだろう。