たった一度の検診を見送ったばかりに

「正直、私が跡を継ぐとは思ってもいませんでした」

大野さんは覚悟を決め、経営の基礎を学ぶべく、平日の夜間や土日にビジネススクールへ通い準備を重ねた。そして2009年4月、社長に就任。その年の9月にはMBAを取得し、経営者としてのスタートラインに立った。

しかし、順調に思えた矢先のこと。社内で席を立とうとしたある日、突然の大量出血に見舞われ緊急入院した。医師の診断は「子宮頸がん(子宮の入り口である子宮頸部に発生するがん。30〜40代で罹患する患者が多い)」。すぐに子宮を全摘出する手術を受けることになった。36歳のときだった。