累計で10兆円以上…補助金頼みの大学でいいのか
福沢や大隈や新島の私学思想の影響もあって、日本の高等教育はその後、私立が重要な役割を担ってきました。現在ある約800大学のうちおよそ8割が私立大学であり、在学生数約300万人のうち私立大学に在籍するのは約8割に達します。
その私立大学も、既に文部科学省という国の機関の傘の下に入り、補助金という金で釣られ、思うような大学運営ができていません。もちろん、その要因には、大学紛争を機に触手を伸ばした文部省による積極介入に抗えなかったという歴史的経緯もあるでしょう。1970年に創設された私立大学等経常費補助金は、現在までの累計で10兆円以上を交付しています。金を出すということは口も出すということですから、国は私立大学の研究と教育に注文をつけるようになりました。1970年といえば、学生運動が激しく、国が大学運営に介入する意図も少なからずあったと考えられます。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
