日本上空にとどまる「熱いブロッキング高気圧」

偏西風は、南北の蛇行が日々激しさを増して、蛇行の先端がちぎれることも。ちぎれたモノが、偏西風から切り離され、単独で渦を巻くこともあります。凸型の蛇行の先端が北でちぎれると、渦巻きの向きは時計回りとなり、これが高気圧性の渦となるのです。「ブロッキング高気圧」と呼びます。逆に凹型の蛇行の南でちぎれれば、反時計回りの渦が孤立。これは寒気の履歴を引きずる冷たい低気圧の渦で、「寒冷渦」と呼びます。

これらの渦は偏西風から切り離されることから、ほとんど動きません。従って、ある場所の上空に延々と寒冷渦が留まったり、熱いブロッキング高気圧が居座ったりします。ブロッキング高気圧や寒冷渦が発生すると、ほぼ例外なく異常な気象現象が長時間継続します。ブロッキング高気圧は干ばつや猛暑、寒冷渦は激しい雨や、雷雨の原因になります。冬であれば、寒気や豪雪が延々と続きます。

近年の日本の猛暑は、ブロッキング高気圧が延々と日本付近に留まった事例が多いです。2024年秋のスペインでの豪雨は、激しい蛇行から切り離された寒冷渦が、スペインの上空で延々と留まったことが一因です。2025年冬のロサンゼルスにまで及んだ山火事も、蛇行する偏西風から切り離された寒冷渦がロサンゼルスの南方に位置し、その低気圧に向かう強風が気象要因の一つでした。