恋愛、結婚、出産を諦めた「三放世代」

翌年には、全国紙「京郷キョンヒャン新聞」が特集記事を組み、当時の若者を「三放サムポ世代」と名付けた。この言葉には、共感する声と「大人が勝手に決めつけるな」という反発の声が交錯するなど、大きな反響を呼んだ。

「三放」は、経済的な事情により恋愛、結婚、出産を諦めざるを得ないことを指した造語だ。韓国語で「諦める」は「放棄ポギ」。改めて、当時の特集記事「福祉国家を語る」を読むと、この時すでに、「『三放世代』の出現は福祉不在の社会で伝統的な家族形成の公式が瓦解していることを物語っている」と指摘しており、最後には「一体どれだけ努力して競争すれば未来を夢見て、恋愛を語れるようになるのか」(「京郷新聞」2011年5月11日)という20代の言葉を拾っていた。今の社会面に書かれていても全く違和感がないだろう。

三放世代はこの後、諦めざるを得ないものが年を追うごとに増えていった。就業、家に始まり、容貌の管理、健康、人間関係、そして希望……雪だるま式に膨らみ、そのたびに七放、九放と呼ばれたが、ついには無限大という意味から「N放世代」といわれるまでになる。