作家 水野敬也
1976年、愛知県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。著書に200万部を突破した『夢をかなえるゾウ』ほか、『ウケる技術』『LOVE理論』『雨の日も、晴れ男』『「美女と野獣」の野獣になる方法』『大金星』『四つ話(よつわ)のクローバー』など。最新刊『人生はワンチャンス!』は、ビジネスマン層にも受けて早くも19万部のヒット。講演DVD『スパルタ恋愛塾』や、DVD作品『温厚な上司の怒らせ方』の企画・脚本など活動は多岐にわたる。東京MXの情報番組「ハーフタイム」に木曜レギュラーコメンテーターとして出演中。
行くたびに変化がある。僕はそういう店が好きなんです。
「ぼった屋さん」との出合いは2005年でした。当時、店の近くに住んでいたこともあって1週間に1回ぐらいの割合で出かけていました。新鮮だったのは、行くたびに何かしら変化があったことです。ソースを焦がしてみたり、別の種類の海苔を取り入れたり、トイレに音楽を流してみたり、椅子の配置を変えたり、メニューや調味料、店内のレイアウトなどにちょっとした創意工夫をしていました。これはと思ったらまずやってみる。その姿勢が好きなんです。マスターがマヨネーズを高い位置から振りかける技も面白かった。
「バカリ ダ ポルタ ポルテーゼ」が気に入ったのはシュフの真摯な態度です。食事が済んだあと「何か気になったところはありますか?」と聞いてきたんです。ふつうは「味はどうでした?」ですけど、これだと「おいしかった」と言うしかない。それが、よくなかったところを教えてくれと言ってきた。これって、すごく大事なことだと思うんです。
同じ物を食べるにしても、受け取り方によって味が違ってきます。近著『人生はワンチャンス!』は犬の写真に合ったワンフレーズの言葉に65人の偉人の生き方を当てはめています。
食に関していえば、日清食品創業者の安藤百福、スターバックスコーヒーのハワード・シュルツ、マクドナルドのレイ・クロック、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースの4人が登場しています。以前、図書館で安藤の著書を読んでいたとき、愚直でまっすぐな生き方に号泣してしまいました。その足でカップラーメンを買って自宅で食べたときの味は、格別で感動ものでしたね。2度泣きしましたよ。つくづく情報って、人を幸せにするものだなと思いました。
食べ物でいえば、とろろが好きなんです。小学生のころからネバネバ系が好物でした。最近は牛乳に凝っていて、飲みながら街を歩いていると、絶対、悪い奴には見えないなあと(笑)。それと、少しダイエットをしようかとトマトやきゅうりを丸かじりしています。昼はバナナですね。集中力を維持するにはお腹一杯にしないほうがいいんですよ。
書くものでもっとも意識していることはユーモアです。僕の作品は実用、自己啓発にプラス、エンターテインメントを盛り込んでいます。マニュアルだけでは読者は振り向いてくれません。いま、『夢をかなえるゾウ3』を書いているところですが、もっとも求められているのは笑いの部分ですよ。本を読んで夢をみられたり、楽しい思いをしたり、幸せな気分になったりと、読者の現実を変えたいですね。