【処方箋】赤いものを身につけて、肉を食べましょう
人前で発表したり、仕事で大きなリスクを取って勝負しなければならないとき、どうしても緊張してしまう……そんな人は、服装に赤を取り入れるといいです。攻める姿勢が強くなります。攻撃性は、女性でもテストステロン(男性ホルモンの一種)が関連しており、これを高めるには赤が効きます。たまに肉料理を食べるのもいいでしょう。脳には魚がいいと言いましたが、攻撃性を高めるなら肉です。出されたらすぐにパクつかないで、まずはじっくりと肉を眺め、心を落ち着かせましょう。それから一気に食べるのです。
【処方箋】落ち込んだときこそ創造力を高めるチャンスです
人になにか言われると落ち込みやすく、いつまでも引きずるという人は、「自分は創造力が高い」と思いましょう。芸術家として成功した人の多くがうつ病を患っていたことからもわかるように、落ち込みやすい人は高い創造力を持つ傾向があります。別の言い方をすると、落ち込んだときこそ、クリエーティブな仕事をしたほうがいい。
米国のある研究で、他人から受ける評価と創造力の関連について調べたところ、興味深い結果が出ました。被験者を3つのグループに分けて発表させ、第1グループでは審査員があえて酷評し、第2グループでは批判しつつも褒め、第3グループでは褒めちぎりました。そのあと企画を練り直させたところ、もっとも独創的な提案をしたのは第1グループでした。これは、1度徹底的に落ち込んだことで奮起し、ドーパミンの働きが上昇したからだといえます。ドーパミンは快楽や意欲、学習に関わる神経伝達物質で、通常は褒められることで活発になります。逆に、叱られるなどのネガティブな情動体験ではノルアドレナリンのほうが活発になるのですが、創造的なことに限って言えば、1度がっくりと落ち込むことで結果的にドーパミンが活発になり、プラスに働くのだと考えられます。
こうした科学的な原理に従えば、部下に独創性のある案を出させたいときには、わざとけなして落ち込ませると効果が期待できます。とはいえ、相手のストレス耐性をよく見極めないと危険です。