群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下の既婚男性とホテルに通っていたと「NEWSポストセブン」が報じ、話題になっている。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「報道を受けた会見では『仕事の相談』をしていたとして、不貞行為を否定した。小川市長の苦しい言い訳は、火に油を注ぐだけではないか」という――。
臨時記者会見に臨む前橋市の小川晶市長=2025年9月24日午後、前橋市
写真提供=共同通信社
臨時記者会見に臨む前橋市の小川晶市長=2025年9月24日午後、前橋市

前橋市長の「ラブホ密会」会見にあったモヤモヤ

前橋市の小川晶市長が、大炎上している。発端は、同市職員の既婚男性と2人で、何度もラブホテルを訪れていたとの、ウェブニュースサイト「NEWSポストセブン」の報道だった。

小川市長は、24日に記者会見を開き「誤解を招く軽率な行動で、深く反省している」と謝罪したものの、「男女の関係はありません」とも述べ、進退については「第三者と相談して考える」と今後に含みをもたせた。

報道内容そのものもさることながら、この小川市長の対応が、火に油を注いでいる。

会見は、次のように始まった

本日(9月24日)の夕方、「NEWSポストセブン」で配信されました、私に関するネット記事につきまして、市民のみなさま、(前橋市)職員のみなさま、そして、(今回の報道に)巻き込んでしまった職員とそのご家族のみなさまに、多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

「ネット記事」という表現が意味すること

まず「ネット記事」という言い方に引っかからないだろうか。ただの「記事」ではない。「ネット」をつけるだけで、いかにも、うさんくさく眉唾もの、とのイメージが出ないだろうか。

小川市長が、どこまで狙っていたかは定かではない。それよりも、「記事」と言うのではなく、「NEWSポストセブン」と媒体名をつけておきながら、さらに「ネット記事」と強調したかのように見える。ここに、彼女の今回の「謝罪」への態度が象徴されている。

新聞やテレビなどの「オールドメディア」が、きちんとした取材に基づいて、裏打ちをとり、責任を持って報道した「記事」ではなく、単なる「ネット記事」に過ぎない。そんな見下した姿勢が、意図の有無はどうあれ、ここに見えるのではないか。

肝心の「謝罪」は、さらにお粗末にならざるを得ない。「ご迷惑をおかけいたしましたこと」についてであって、たとえば、「NEWSポストセブン」が指摘した点については謝っていない。心理学者の榎本博明氏のことばを借りれば「謝らない謝罪」にほかならない(※)

参考文献
※:榎本博明『絶対「謝らない人」』(詩想社新書)