安倍晋三首相が掲げる「アベノミクス」を成功に導くにはアベノミクスが掲げる「三本の矢」の1つである「成長戦略」が不可欠である。産業競争力会議の「論客」が、日本復活の“秘策”を語った。

【田原】少子化対策についてお聞きしたい。いま日本の合計特殊出生率は1.39です。一方、アメリカやフランスは2以上ある。人口減少が続く中で経済成長はありえないと思いますが、この問題はどうやって解決しますか。

【新浪】いま私は2030年までに合計特殊出生率2.1という目標を打ち出してほしいと提案しています。移民もダメ、人口減もストップできないのでは、経済成長はできず、我々の生活も豊かにならないからです。生産性向上のためのイノベーションだけでは、経済成長は実現できません。やはり、“人”は必要です。私は経済成長の目的は、3世代が楽しく暮らせることだと思います。おじいちゃん、おばあちゃん世代だけがよければいいということではなく、お父さん、お母さん、子どもが豊かな生活をおくれる。このサイクルが実現できたうえでの経済成長です。

高齢者は、農協以上の強敵

【田原】30年に2.1にするために、どういうことをやろうとしていますか。

【新浪】重要なのはダブルインカムを増やすことです。世帯収入を上げるために、女性に働いてもらうのです。

【田原】そこは議論になるところでしょう。世の中には、女性が社会に出て働くから子どもが生まれないのではないかという声も根強くある。

【新浪】じつは統計を見ると、ダブルインカム世帯のほうが全体的に出生率が高いのです。とくに北陸3県は、この傾向が顕著です。なぜかというと、地方では夫婦2人で働いていても、おじいちゃん、おばあちゃんが孫の面倒を見てくれるから。東京は状況が違うので、幼稚園と保育所を一体化する「幼保一体」、もしくはさらに保育施設をつくっていく対策が必要だと思います。

大切なのは、政府でガイドラインをつくり、あとは地域に合わせて任せることです。都市部では横浜市の林文子市長のように待機児童ゼロを目指せばいいし、地方では、敬老の日におじいちゃん、おばあちゃんに紅白まんじゅうを配り、「子どもたちをよく育ててくれました」とお礼をしたっていい。全国すべて一律にやる必要はないです。